自己愛


本を読んで、セッションを受けて、自己受容にも取り組んで。

何度も心と向き合いながら、あなたはここまで来たのだと思います。

けれど、ふとした瞬間に湧いてくる違和感。

焦りや不安、理由のない虚しさ。


「好きになったはずなのに、何かが足りない気がする」

そんな感覚に、心が少しざわつくことはありませんか?

癒しを経ても、戻ってしまう感情がある

これは、あなただけではありません。


自己否定を抜けて、「これからは自分を大切にしよう」と決めた人ほど、
なぜか心の奥に“冷たい空白”のようなものが残ることがあります。

周りから見れば、整っているように見える。

でも、自分の中では、「これでいいのかな」と、
何かが引っかかったまま時間が過ぎていく。

それは決して、努力が足りなかったからではありません。

むしろ、「言葉で整えようとする世界」だけでは、
届かない領域があるということに、あなたの心が気づき始めているのです。


“わかった”けど、“感じられない”


セッションで納得した。

講座の内容も腑に落ちた。

それでも、日常に戻ると──

また同じ不安が戻ってくる。

その感覚こそが、「癒しの先」に進む準備ができたという証かもしれません。

そうなのです。どのなに情報や、知識をいれたとしても。

本質的に、体感として安心できていなければ、
頭でいくらわかっていても、また同じ場所に引き戻されてしまいます。

次の章では、
「なぜ癒されたはずなのに、また苦しくなるのか?」

その構造を、もっと丁寧に紐解いていきますね。


✅ 【第2章】癒されたのにまた苦しくなるのはなぜ?


「この前のセッションで、なんだか救われた気がした」

「本を読んで、“ああ、私はこれでいいんだ”って思えた」

そんなふうに、ふっと軽くなれた瞬間があった方も多いのではないでしょうか。

けれど──


数日たつと、また同じ不安が戻ってくる。

心がさっきまでの希望を忘れてしまったかのように、
また“あの感覚”に引き戻されてしまう。

「あれ? また私、おかしくなった?」

「やっぱり私は、ちゃんと癒されてなかったのかな……」

そんなふうに、自分を責め始めてしまうこともあるかもしれません。


|言葉で「わかる」と、体で「安心する」は違う


ここでひとつ、大切な前提があります。

人は「わかった」からといって、「変われる」わけではないのです。


たとえ心に響く言葉を聞いたとしても、
それが「体で感じるレベル」まで届いていなければ、

変化はまだ“入り口”にすぎません。


そしてこの「感じるレベル」に届くには、
安全な感覚の中で、それを何度も“体験する”必要があります。


つまり、

言葉に救われたつもりでも、
その後に繰り返し“日常の安全”が体で感じられていなければ、
もとの不安回路がふたたび動き出してしまう
のです。


|「癒されたのに戻る」は、あなただけじゃない


これは、多くの方が経験している“心の構造”です。

特別なことでも、失敗でもありません。


むしろ、

「わかったのに戻る」ことが起きたということは、
あなたの中に変化が起きかけている証拠でもあるのです。


焦らず、その波を正しく読み取ってあげてください。

次の章では、

なぜ「癒し」では届かない場所があるのか──

その構造的な理由について、もう少し深くお話ししていきますね。



✅【第3章】“講座”や“セッション”を受けても、なぜまた戻ってしまうの?

何度かセッションを受けた。

それなりに深く、自分と向き合ってきた。

講座でもたくさんのことを学んで、
「なるほど」「すごく腑に落ちた」と感じた瞬間も、確かにあった。

けれど──

日常に戻ると、不思議なほどその感覚が薄れていく。

しばらくすると、前と同じ思考に戻っていたり、

また小さなことで心が揺れてしまったり……。

なぜ「納得したのに、変わらない」と感じるのか

これは、あなたの“根っこ”が間違っているわけではありません。

多くの人が通る、「言葉でわかっても、体が変わらない」という段階なのです。

わかる。納得する。心が少し軽くなる。

それでも──

ふとした瞬間に、同じ不安がやってくる。

なぜかというと、

「日常」として繰り返されている感覚の回路は、
短期間の気づきでは書き換わらない
からです。

体感に届かない「いい話」で終わっていないか

セッションも、講座も、言葉も、

その場では“救われたように感じる”ことがあります。

でも、それが「日々の習慣や感覚」に落とし込まれない限り、

“頭ではいい話”で終わってしまうこともあるのです。

あなたの中に「変わりたい気持ち」はある。

だからこそ、その“場の感動”だけで終わらせないようにする必要があります。

気づきは扉を開く鍵。

でも、それを「毎日の呼吸のように体に染み込ませる工程」がなければ、

また同じ場所に戻ってしまうのも当然なのです。

変わり始めたあなたへ、大切なこと

大切なのは、

「わかった」のあとに、「感じ続けられる日常」をどう作るか

ということ。

癒しやセッションは、その“始まり”を開いてくれただけなのです。

次の章では、

「変わりたい」が「変わらなきゃ」にすり替わる瞬間について、

そっと見つめていきましょう。